日々の診療で生じた疑問、課題(クリニカルクエスチョン)の解明、ひいては診療の質向上につながるような臨床研究に取り組んでいます。
現在進行中の研究は、「肺切除術後の胸腔ドレーン刺入部の創傷治癒は感染のためしばしば遷延する」という問題から始まっています。このドレーン刺入部の感染について治癒遷延や創感染の頻度を把握し、感染の原因菌を解析することで、肺切除術後の最適な抗菌薬投与法を提案することを目指し症例を集積中です。本研究は他施設では行われていないユニークな取り組みです。
また、矢野智紀教授が中心となり、よりベーシックな研究にも取り組んでいます。特に女性ホルモンと肺癌の関係に着目し、化学療法の進歩が著しい今日の非小細胞肺癌の治療に新たな側面からアプローチしています。「非喫煙者肺癌の浸潤増殖にエストロゲンが与える影響の解明」「女性ホルモンが非浸潤性肺腺癌に及ぼす影響」をテーマとし科研費を獲得しています。